現物取引初心者ガイド:株式トレードで知っておきたい差金決済と平均取得単価

投資・ビジネス


株式の現物取引で、同日に、同じ株を複数売買することはありますでしょうか。

私はよくあるのですが、同じ株を取引する方は差金決済や平均取得価格について理解しておくのは大切だと思います。

信用取引をする方にとっては関係ない内容になりますが、もし現引した場合や、現物で取引している方は知っておくと安心だと思います。

ここでは、差金決済の仕組みや平均取得価格、そしてそれらが取引にどのように影響を与えるかについて説明したいと思います。

1. 差金決済とは?

差金決済は、株式の売買において、実際の株式の移動を行うことなく、現金で差額を精算する仕組みです。

主に信用取引で用いられる仕組みで、信用取引では、買いと売りを同じ日に行っても、実際に株を保有することなく、売買の差額を現金で決済することができます。

しかし、現物取引では、差金決済は法的に禁止されています。

なので、現物取引では、差金決済を避けるように取引する必要があります。

2. 現物取引での取引制限

現物取引においては、差金決済は禁止なのです。売却後、すぐに預かり金として戻りますが、同一銘柄の場合、その売却金額を再度同じ銘柄の買い直しに使うことはできません。

他銘柄であれば、差金決済は関係ないので売却金額を即座に新たな取引に使うことができます。

3. 平均取得価格の仕組み

株式現物取引において、同一銘柄を複数回にわたって売買する場合、平均取得価格が影響を与えることがあります。

たとえば、最初に買った価格と、その後に買い増した価格を平均して、新たな平均取得価格が設定されます。

これにより、売却したときの利益も調整されるため、取引後に確認した利益が予想より大きくなったり、逆に小さくなったりすることがあります。

これを理解しておくことで、売買時の利益が計算と異なり、混乱を招くのを防ぐことができます。

4.現物取引における差金決済と平均取得価格の理解(体験談)

※ここでは楽天証券での取引についての説明になります。

これまで大まかに説明しましたが、初心者の私の経験談をもとにお話ししたいと思います。

現物取引で売買を行う際の平均取得価格について、まずお話ししたいと思います。

現物で買い→売りをした後、さらに株が下がったので同じ株を再度買うためにエントリーした際、エントリーより高い価格で約定しました。

これがなぜ起きたのかというと、1回目と2回目のエントリーの平均取得価格が計算され、その影響で1回目の売却益まで変わっていたからです。

平均取得価格とは?

この現象は、2回目の購入が平均化されて高くなり、1回目と2回目のエントリーの平均価格となっているために発生します。

つまり、2回目で約定した価格が高くなった分、損したのではないかと思いましたが、実現損益を確認すると、1回目の利益がその分増えているのが確認できました。


エントリー価格と実現損益が変わることに頭を悩ませましたが、このように帳尻が合わせられているため、結果的に心配することはありませんでした。

つまり、同日に同じ株を売買すると、買いの金額が平均化されていきますが、収益は変わらないので、あまり気にしなくてもよいのです。

(例)1回目1000円の株を100株で買い1050円で売却その後、同じ株が950円に下がったので下で買った場合。

1回目の利確で5000円の利益になりますが、
2回目950円で再エントリーしたことにより、

平均取得価格は
(1000+950)/2=975円なので、


2回目のエントリーは950でエントリーしたにも関わらず、平均化され、975円でエントリーしたことになります。

これは、一見損ではないかと思うのですが、
実現損益を再度確認すると、1回目の売却の利益は本来5000円のはずですが、1回目も975円でエントリーしたことになり、7500の利益に変更されているはずです。

なるほどです。これで、帳尻あっているので平気取得単価については、あまり気にしなくて良く、通常どおりトレードをして大丈夫というのがわかるかと思います。

現物取引における差金決済に注意

差金決済のほうが注意が必要だと思っています。


差金決済は、同一の銘柄を複数売買することで発生します。

他銘柄の売買は、差金決済関係ないので売買の回数は気にしなくて大丈夫です。


ここでは、同一銘柄の株の現物取引においての差金決済を防ぐ方法についてお話ししたいと思います。

考え方としては、1日の取引は持っている資金の範囲内で行うべきということです。

取引の合計値分の資金があれば差金決済にならないということです。100万の資金の場合は100万位内の取引になります。

例えば、100万円の資金がある場合、1000円の株を400株で買い→売りを同一銘柄で1日2回できるという形になります。

(例)100万資金で同じ銘柄を売買

1回目1000円の株400株を買い→売り

2回目1000円の株400株を買い→売り

3回目1000円の株100株なら買えるけど300株は差金決済になるので資金を増やさない限り取引できない。

となります。

差金決済を避けるためには

つまり、差金決済を避けるためには、売買する分の資金があることで防ぐことができます。

買い売りを2回したい場合は株価の2倍の資金を、買い売りを3回したい場合は3倍の資金用意しておくことが重要です。

例えば、株価が1000円の株を100株売買する場合、100万円の資金を持っていれば、10回まで取引が可能です。

買い増しは差金決済関係なし

ちなみに、差金決済は、売買のみ関係するものなので、「買い増し」をする場合、差金決済には影響しません。

ですので、同じ株を何度でも買い増すことが可能です。

現物取引を行う際は、買い増しを駆使して取引するのも一つの戦略となるでしょう。

まとめ

同日の同一銘柄を複数回売買を行う際は、以下のポイントに注意しましょう。

1.平均取得価格を把握

複数回取引することで、エントリー価格や実現損益が変動しますが、最終的な収益に影響はありません。

2.差金決済に注意

資金に余裕を持って取引することが重要です。売買するための資金があれば、差金決済を避けることができます。

資金不足の場合は、取引が制限されることがあるため、十分な資金を確保しましょう。

3.買い増しは可能だが、資金管理が重要

買い増しは、差金決済に影響を受けないため可能ですが、資金が不足している場合は追加購入できません。

十分な資金管理が必要です。

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